別れ
職場の送別会があった。
20代のまだ若い二人だった。
二人は明るくて愛嬌があって職場の太陽のような存在だった。
その二人が居なくなる。
明日からお通夜のような空気になってしまうだろう・・・
最終日の仕事が終わり、Mちゃんはこみ上げてきた感情を抑えられず、泣きながら別れを告げ去っていった。
素直(すなお)って素晴らしい。
言葉にならなくても伝わってくる気持ち。
彼女の一番素晴らしいところだった。
Mちゃんなら何処に行っても認められるだろう。大丈夫!
もう一人のTちゃnは一児のママ。
産まれた川俣町で子供を育てたいとUターンし、約2年間いっしょに働いたが、
子供の健康を脅かす放射能から逃れて静岡に家族全員で自主避難することになった。
泣きながら悔しい思いを話した。
自主避難の方々は、泣きながら静かに去っていく。
東電や政府関係者は誰一人侘びに来ない。
原発事故が原因で強制避難や自主避難によって、約3万人近くが県外に去り、
福島県の人口は200万人を下回ってしまった。
高齢化率が高い川俣町は、今後どうなっていくのだろう・・・
我家も3人の子供がいたが、みな自立して川俣を去った。
農業をはじめ地域産業の将来性は甚だ厳しいだろう・・・
国からの支援無しでは、この町も破綻しかねない。
こんな不安を払拭できる明るい報道は何もなく、今も原発はくすぶり続けている。