Nさんの死

この仕事に就いて5年目となった。
その間、幾度もの利用者の死と直面する。

昨日も訃報の連絡があり、同僚となったKさんを引き連れてレンタル用品の回収に伺った。
既にNさんのご遺体は病院から自宅に戻られていた。

私が仕事を引き継いだ時から永く出入りさせていただいていたNさんだった上に、あまりにも急速にレベルダウンしてしまい、入院後わずか1ケ月での訃報となった。

焼香させていただいた後、お顔を見せていただき口元に脱脂綿を使い水をささげる。
仕事としておつきあいさせていただいただけなのに、こみ上げてくる感情を抑えるのが辛かった。

心のギアチェンジをしてから、レンタル品の回収を行った。
手すりやテーブル、ベッド、マットレス等々・・・
手すり等は特にNさんの想いがよみがえる商材で、・・・辛い。
今まで立つことができなかった事が、その手すりによって自力で立つことができて、Nさん自身が目を輝かせる。
わずか、それだけのことなのだけれども、Nさんにとっては大きな希望の始まりなのだった。

健常者の「ものさし」は、利用者に対して、得てして乱暴なアドバイスになってしまう。
極めこまい観察をして、(これで良いのか?他に手段はないのか?)と自問自答して仕事をしないと、利用者の希望とのギャップは詰まっていかないのだろう・・・

車椅子に座ったまま、テーブルに顔を垂れ、うずくまったままだったNさんの1ケ月前の姿が脳裏から離れない。

(お前はNさんに対し100%の仕事をしていたか?)・・・


・・・ 合掌 ・・・






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Author:ドットドット
原発事故まではハーブや自家製野菜・果物作りの生活を満喫していましたが、放射能汚染されてしまい、もう無理。
今は仲間と大好きな山登りをして写真を撮り歩きして楽しんでいます。
原発事故後の風土と日常をとりあげてをいこうと思います。

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